10 suggestions
最近は、人と犬が家の中で一緒に暮らすというスタイルも一般的になってきました。その一方で、屋内飼育で生じるさまざまな問題、ストレスも少なくありません。人と犬がいい関係を築き、より快適に暮らしていくためにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、「愛犬家住宅のための10の提案」をご紹介します。
上吊り式のドアは、床にレールなどの段差が生まれないので、犬の足をが引っ掛からず、抜け毛や汚れも詰まらず、掃除もしやすい。 また、折れ戸や壁に収納できるように考えた引き戸、光が透過するポリカーボネート素材を使ったドアなどは、空間をより広く感じさせる。 ドアは空間を自在に操ることができるおもしろいアイテムだ。
上吊りタイプになったポリカーボネート素材の引き戸。閉めたときも圧迫感がない
部屋を犬が事由に行き来できるようにくぐり戸を付けた建具。犬のために常時ドアを開けておかずにすむ
バルコニーにトイレを設定するというのもひとつのアイデア。室内とバルコニーをつなぐ犬専用の出入り口を設ければ、犬が自由にトイレに行き来することができる。 オス犬たちのマーキングに苦慮した結果、オシッコを防御するオブジェを壁に設置したり、オシッコをしたくなる形状のオリジナルトイレを考案したり。
リビングの犬の居場所から壁面に開けられた犬専用の入り口(上)を通り、バルコニーに設置されたトイレ(下)との間を自由に行き来ができる
庭に設けられたオス犬専用トイレ。形は愛犬の大好きなパイロン型、上から水が出て洗い流せる。Y邸のオリジナル
来客時の犬の飛び出しを防ぐために、玄関に続く廊下にゲートを。 コンセントは、カバーを付けたり、いたずらされない高い位置に。 犬をつないでおけるリードフックは、浴室、バルコニー、玄関など、各所につけておくと便利。
室内ドアだけでなくフェンスドアを設置し、犬の飛び出しを防止
コードを壁面に収納できるように設計
庭に続くテラスの床にもリードフックを設置
LDKの一角に、人と犬の空間を分離できるような犬の居場所をつくってあげれば、犬も寂しい思いをしなくていいし、叱られた時などに逃げ込むこともでき、落ち着いて暮らすことができる。 LDKにつくられた犬の居場所としては、柵などで囲ったもの、タイル張りの専用スペースを隣接させたもの、床下、階段下、家具の下などのデッドスペースを利用したものなどさまざま。消臭効果のある建材を使うことで、においの問題も軽減できる。
リビングにひとつながりになった広々とした土間部分を犬の居場所に
リビングとダイニングの間をスキップフロアでつなげ、その段差で生まれた空間を愛犬の居場所に。
庭にガーデンルームを設置し、自然に満喫できる犬の居場所&人も楽しめるスペースに
愛犬といつも一緒にいたい、料理中も愛犬に寂しい思いをさせたくない、広々とした開放感ある空間で愛犬とともに過ごしたい・・・・・。そんな思いから、LDと一体になったオープンキッチンを選ぶ人も多いようだ。 とはいえキッチンは犬にとっては危険の多い場所。出入り口にゲートを設置しておけば安心だ。
玄関から土足のまま入れるホームドックカフェ。スライディングパーティションを開けるとダイニング・キッチンとつながる
部屋のモダンな雰囲気に合ったスタイリッシュなデザインのキッチンをセレクト
LDKの外にバルコニーやテラスを広げることで、愛犬が自然を満喫できるスペースが生まれる。 特に犬と一緒の暮らしでは、自然の光や風をたっぷり亨受できる開放感のある空間作りをしたい。 自然の感触が味わえる木製デッキ、メンテナンス性に優れたタイルなど、いずれも、犬の足が滑りにくい素材を選び、つなぎ目などに犬の足を引っ掛かったり、汚れが浸透しないような工夫もしたい。
吹き抜けになったLDK。天井まである大きな窓の外にバルコニーが広がる。
リビングからウッドデッキを広げることで、住まいの中から庭の風景が一体となる。ウッドデッキでは、犬と遊んだり、ガーデニングを楽しんだり
玄関まわりの活用法のひとつとして、土足のまま入れるスペース(土間やテラス)を広げ、犬の居場所をつくるというのアイデア。 玄関から居室へ向かう廊下部分など、犬が行き来する床は、犬の足が滑らず、汚れや傷に強い建材を。 壁も腰壁パネルなどで汚れや傷をガードするといい。
玄関に散歩グッズをまとめて。リードを掛けられるフックを壁のアクセントに
勝手口にリードや散歩グッズなどを収納できるスペースを設置
廊下の床は滑りにくく、汚れや傷がつきにくいものをセレクト。壁も腰壁パネルを設置するなど、汚れや傷対策を
犬と暮らす住まいでは、細かく仕切った空間より、広々とした空間のほうが犬の行動範囲を制約せず、目も行き届くので、暮らしやすい。 横方向の広がりだけでなく、吹き抜けによる縦方向の広がりも、開放感があり、のびのびと暮らすことができる。 犬と暮らす住まいでは、人と犬が仲良く、自然体で暮らせるような空間づくりも大切だ。
窓の外には犬の遊び場となっている芝生の庭が広がる、開放感いっぱいの吹き抜けのLDK
ウッドデッキの中庭を中心に部屋を配置。窓を開ければ中庭と一体になる自然の光と風にあふれた住まい
犬と暮らすリビングでは、犬の足が滑りにくく、掃除がしやすく、汚れや傷などに強い床材にしたい。 最近、リビングにタイルの床を使用することが増えているのは、メンテナンス性だけでなく、床暖房との相性のよさから。 床を木とタイルで張り分け、素材感の違いを楽しむのもいい。タイル選びの際には、犬の足が滑らないかどうか、注意したい。
白いタイル張りの広々としたLD。畳のスペースは座るのにちょうどいい高さに設定してある。この段差は、犬と人のエリアをそれとなく分けるのにも役立っている
リビングからテラスに続く一部をタイル張りに
ウッドデッキとタイルで敷き分けた中庭を犬専用のスペースに。部屋の大きな窓に囲まれているので、犬と人とがお互いのコミュニケーションもとりやすい
庭にテラスとガーデンルームを設置
玄関周辺には、散歩帰りの犬の足が洗える水洗設備があるといい。 温水シャワー付きの水栓にすれば、冬場も冷たい思いをせず、犬のシャンプーをすることもできる。 足洗い場から玄関までは、タイルなどを敷いておけば、足や体を汚さずに室内に犬を上げることができる。
庭でシャンプーするなら、温水の出る混合水栓、シャワー付きが便利
足洗い場周辺は、タイル敷きなどにすると洗った足、体が汚れない
浴室の隣にバステラスを設置すれば、タオルドライの際に便利。犬の身震いによる水しぶきも気にならないし、バスタイム後の犬のリラックススペースにもなる。 小型犬であれば、洗面室にスロップシンクを兼ねたシャンプー台や、人の洗面台を犬のシャンプーにも使えるデザインのものを選ぶというのもいい。
バスルームの隣には、目隠しのルーバーを施したテラスを設置。
ここは愛犬のシャンプー後のタオルドライやグルーミングのスペース
犬が立ちやすいよう底をフラットにし、立ち上がりを高くし水はねにも配慮。フロントにシャワーを付けたシンク